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「米屋くん、好きです」

「え?あ、やっぱ校舎裏に呼び出しってそういう……」

「好きということにします」

「…………ん?」

「好きになります。好きというていでいきます。好きです。交際してください」

「自己啓発セミナーかなにか?」

「自己啓発とは上手いこと言いますね」

「そりゃどうも……」

「米屋くん好きです」

「怖い怖い怖い」

「何が怖いんですか。凡その人類は好きでしょう、好意って」

「もうその捉え方が怖いって」

「私は嫌いですけどね、好意って」

「へえ、そうなんだ」

「でもそれじゃいけないなと思って。このまま誰も何も好きにならないで死んでいくの、怖くなったんですよ。あと私は誰も何をも好きじゃないんですけど、他人には自分のことを好きにはなってほしいんですね」

「ここまで好感度の低い正直者もいないわ。普通に最悪だよ」

「母さんにも同じこと言われました。産むんじゃなかったって」